精神的にも、一次試験免除の期限的にもラストチャンスの4回目(計8回目)の英検1級二次試験。会場は、外国語大学。
1級以外の受験者もいるようで、受付には長蛇の列。コロナ対策もあり、なかなか待合室に入ることができません。50分程度、立って待ちました。いつもこんな感じなので、まったく気にしていません。そういうものです。
外国語大学は、通訳をしていた祖父が卒業した大学で、思い入れがあります。頼む、おじいちゃん私に力を貸してくれ(激甘トピック来てくれ~)。
一回目だろうが、8回目だろうが緊張感は変わらないですね。面接室の前の椅子に座って待っている時間は嫌なものです。なぜなら、トピックカードをめくった瞬間に勝負が決まるからです。準備したトピックがそこになければ、地獄の面接に早変わりするためです。対策はもう、ひたすらスピーチを念仏する、絶対に見たことがないトピックが出てくると心構えをして、現場でスピーチを調整するんだ、という気概でいることだと思います。
記念すべき(?)ラストチャンスの面接員は、ネイティブ男性(話し易い)と日本人女性(高圧的)。まあ、試験には関係ないでしょう、どんな面接員であっても。
運命のトピックカードをめくります。
上から順番に見ます。1番、もしくは2番でもスピーチが出来ないわけではない、、しかし、得意な科学技術分野のトピックではない、、どうしようか(ここまで8秒)、、と思いつつも下のトピックにも目をやってみると、
Carbon neutrality
キタコレ。
みなさん、お判りでしょうか。得意な分野のトピックがトピックカードにあった時の安心感、やったぜ感(5~7回目にはなかった)。そして、スピーチを組み立てるように頭が移行する前の「これは、受かったわ(一度も合格してない)」という感覚。
冷静に、トピックを解釈します。「ほとんどの国はカーボンニュートラルを実現可能か?」主語は、ほとんどの国、発展途上国と先進国で分けて考えよう、これは未来の話だから、過去の話は不要と判断(ここまで23秒くらい)。
スピーチを組み立てます。既述のとおり、カーボンニュートラルはコンテンツブロックを準備しています。その中から2つを抽出。1つめが「パリ条約」、2つ目が「科学技術」。この2つを頭の中から抽出して(ここまでで30秒くらい)」、頭の中で要点のスピーチを始めます。ポイントだけなら、30秒でスピーチ終わりますが、情報を付け足して2分で終わる形にします。
パリ条約、国際社会は100を超える国々がパリ条約に合意した。温室効果ガスの排出を抑制し、地球の平均温度を1.5度よりも低く抑える。そのために、カーボンニュートラルが合意された。この目標を実現することが、多くの国々にとっての責任であり、政治主導で民間企業の活動をコントロールし、カーボンフリーを後押しする。
科学技術、カーボンニューラルは科学技術で実現できる。炭素排出の主要因は、ガソリン車と火力発電だ。自動車産業は、炭素を排出しない電気自動車へのEVシフトを進めているし、火力発電は再生可能エネルギーへと変わってきている。これらの技術が浸透していくことで、カーボンニュートラリティは実現できる。
上記は、現場で考えていません。事前に準備済みです。トピックに合わせて、上記2つを抽出したのと、微妙に主語とその表現を変えただけです。
質疑です、(ネイティブ男性)なぜ火力発電を再生可能エネルギーへ転換していくことが重要なのか?⇒(自分)火力発電は、現在世界中で最も多くの電力を発電している。ガソリン車の次の炭素排出の原因だからだ。⇒I see。
間髪入れずに、原子力発電はどうなのか?フランスのように活用すべきなのか?(日本人女性)
⇒それは国の判断による。日本のように資源を持たない国は、海外から資源を輸入してエネルギーを作っている。これは、海外にエネルギー源を頼っていることになるので、国防上問題がある。これ以外にも安全上、原子力発電所の管理ができる、放射性廃棄物を廃棄できるシステムがあるなら、原子力発電は使えばよい。※大体40秒話しっぱなし+気迫。
(日本人女性少しトーンダウン)しかし、原子力発電は安全上、問題があるのではないか?(日本人女性)
⇒以前と状況が違う。2011年の日本で発生した原発事故から、世界の国々は自国の原子力発電所の安全性をチェックした。日本政府は、事故で振り返ったチェックリストを持っており、非常に厳格なリストを世界の国々と共有していて、その結果、フランスは原発の継続稼働を決めて、ドイツは停止させた。各国の判断は異なる。その中で原発事故の原因は、津波だ。フランスは原子炉を川の水で冷やしている。日本は海だ。フランスは津波の心配はない(後で調べたら本当は心配がある。。)。このように、国によって状況が違うため、判断も異なる。※90秒しゃべりっぱなし+気迫
発展途上国は、原子力発電所を使用するべきか?例えば、海に面しているアフリカなど(日本人女性)⇒(3秒くらいかんがえて)、使うべきではない。原子力発電の技術開発と維持管理は発展途上国では無理だ。先進国が技術と設備を提供し、エンジニアを常駐させて管理できるならいいだろう。
ここでタイムアップ(もうほとんどしゃべりっぱなし)。ネイティブ男性は完全に空気、しかし、ポイントが高い点を反応と雰囲気で教えてくれた。トピックのcarbon neutralityをcarbon neutraizationやcarbon free、zero emissionと言い換えたこと、チェックリストをrigorous inspectionやchecklistといったこと、放射性物質をradio active materialといったことなどがボキャブラリーの点数を底上げした感覚を得た。
日本人女性はよくわからないが、原子力発電の質問には驚いた。原子力発電はカーボンフリーと説明していないが、その共通認識だったので良かったが、話が逸れたと思った。とはいっても、いいいたいことは最初のネイティブ男性の質問で完結していた。原因は、「ガソリン車と火力発電で、パリ条約合意したから企業後押しして解決できるよね、そのための技術もあるし」ということ。原子力発電は、話を膨らませるための質問であったようだ。
帰り道、疲れがどっとでました。心の底から疲れた。重い、重すぎるよ。この疲れ。一度も合格していないので、受かったかどうかなんてわかりませんけど、やるべきことはやりつくして、本番もやれるだけのことはやりきりました。まあ、これまでも同じなんですが、今回はもう本当にしゃべりっぱなし。
そして、結果が届きました。
8回目受験の結果
Short Speech 8/10
Interaction 10/10
Grammar and vocabulary 8/10
Pronunciation 5/10
629/602(合格基準) 合格
やってやったぜ、こんちきしょー(泣き)。